昔のクラシックギターの修理をご紹介します。
「昔のクラシック」?と思うかもしれませんが、そう言うしかないのです。
このギターは日本のクラシックギター作家の草分けの一人である中出阪蔵氏の弟で「中出留吉」の作品です。しかしながら、相当酷使されており悲壮感ただよう状態になっていました。
ネックは折れていて、トップの割れはなんと8箇所にのぼります。
塗装の劣化や長年の汚れや無数のキズなど問題山積みです。
まず、瀕死のネックを接着します。
次に割れている8箇所一つ一つに裏木をあてて接着します。
劣化したラッカーは除去します。
隙間や穴を埋めます。
平らに整えつつ古い塗装をとりのぞきます。
木肌の状態にしたところで今回はこのギターの雰囲気にピッタリのオイルニス塗装を施します。
場所によっては補色したり磨いていきます。この後、フレット交換をして指板に栄養をあたえて仕上げます。
こうして完成しました。弾いてみるととても素晴らしい音です。
また持ち主の方と楽しい時を共に過ごしていくことでしょう。
どんな状態でも諦めずにDOVERにご相談ください。